- 外来看護師ってどんなことをしているのか知りたい!
- 外来といったら診療の補助!
- 今まで病棟で働いてたから今までの知識で大丈夫だよね。
一般的に看護学校・看護大学を卒業した直後、大体の人は病棟で3年間働きます。ある程度経験してから外来に異動する人が多いため、今までの経験から外来でも働けるだろう、病棟より楽そうだな!と思う人もいます。
私は看護師16年目、第二子出産後より2次救急の急性期病院の外来でパートで働いています。外来で働き始めて5年目になりました。
そこでこの記事では、外来で働く看護師の具体的な仕事内容を知ることができます。
この記事を読めば外来看護師のやりがい、大変さ、日々気をつけるポイントが分かります。
外来で働きたいと思っている人はぜひ最後まで読んでください。
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目次
外来看護師に求められる能力:知識は浅く広く必要
病棟で約9年働いてきたので、”それほど覚えることはないかな?”と安易な気持ちがありましたが、病棟の業務とは違って、知識は浅く広く、覚えないといけないことがたくさんありました。
採血
- 病棟では診療科が限られるが、外来では全ての診療科の採血を行うため、覚えなくてはならないスピッツが多い
- 採血の際、患者さんに検査項目について聞かれるため、ある程度検査項目についての知識が必要
- 採血の種類によってすぐに提出しなければいけない項目(アンモニア)、血ガス、30分安静にしてから採らなければならない項目(レニン活性)などもあり、採血の方法もさまざま
点滴、注射
- 水分補正、制吐剤
- 造血剤の注射、骨粗鬆症の注射、高脂血症の注射、頭痛の注射
- ポートからの点滴(採血)
- 輸血
注射によっては冷蔵庫から出して30分置かなくてはならなかったり、物によっては打ち方が異なるので覚えなくてはいけないことがたくさんありました。
検査説明
- 造影CT
- MRI・造影MRI
- 冠動脈CT
- 内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)
- 超音波検査(腹部エコー、心エコー、経食道エコー)
- 心臓カテーテル検査(CAG)、経皮的冠動脈形成術(PCI)、アブレーション
検査によってその場で同意書に記入が必要であったり、問診票やチェックリストがあったりと、細かな書類も覚えて短い時間で捌かなくてはなりません。
検査の流れも把握しなくては患者さんへ説明ができないので検査の内容も把握していなくてはなりません。
今まで病棟で勤務していて、あまり関わりのなかった検査も多く、覚えなくてはならないことがたくさんありました。
医師の診療の介助
内科
内科外来は基本的にクラークさんが付きます。
バイタルサインを測って欲しい時などは看護師が呼ばれます。
外科
処置(消毒、抜糸など)や手術の予定を立てた患者さんの術前オリエンテーションなども行います。
整形外科
整形外科は看護師が付きます。
注射、処置の介助(消毒・抜糸)、シーネ固定の介助、ギプス巻き、ギプスカット、骨粗鬆症予防の自己注射指導
整形外科の基本的な知識・技術が必要です。
包帯は看護師が巻くこともあります。
注射の種類も整形外科外来特有のものが多いです。
処置の際は清潔動作も必要になります。
術前オリエンテーションも看護師が行います。
泌尿器科
泌尿器科は処置が多いので看護師も付きます。
バルーンカテーテル挿入・抜去、残尿測定、ウロフロー、膀胱鏡検査、ステント交換、腎瘻交換・抜去、膀胱洗浄など
泌尿器科特有の処置がほとんどです。
膀胱鏡の洗浄も行なったり、洗浄機のメンテナンスも行わなくてはいけません。
自己導尿を行う患者さんの自己導尿指導や在宅物品の準備なども行なっています。
形成外科
処置がほとんどなので看護師が付きます。
創傷・褥瘡・火傷の処置、巻き爪の処置、
日帰り手術も多いでの、OPE説明も多いです。
救急外来
看護師の他、救命救急士がいます。
救急車の受け入れからウォークインの患者さんまで、2次救急と3次救急で異なりますが、緊急性の高い患者さんへの対応など、診療の補助ではありますが、看護師がアセスメントをして動いており、求められることが高くなります。
共通していること
診察室では患者さんの呼び出しから聴診や処置の際は衣類をあげ医師が診療しやすいよう介助行い、診察後は次はどこへ行ったらよいか案内をしています。
それぞれの病院の診察の一連の流れも把握しておく必要があります。
また、医師によって準備しなくてはならないものや、それぞれのやり方があるため、細かな気配りが必要になってきます。
生活指導
外来に配属になるまで、生活指導を外来で行なっている事自体知りませんでした。
糖尿病患者さんへの指導
糖尿病の患者さんへの血糖自己測定指導、インスリン指導、低血糖指導を行っています。
患者さんへ指導できるようにそれぞれの知識が必要になります。指導の最中に患者さんからの質問に答えられるよう知識が必要になります。
自己注射の指導
インスリン自己注射はもちろん、骨粗鬆症の自己注射や、頭痛予防の自己注射の指導を行っています。
造影CT介助
造影CTでは20Gでルートを取り、造影剤注入の介助、アレルギー反応が出た際には対応しなくてはなりません。
造影CT後の注意点や遅発性の副作用についても説明しています。
その他
- 導尿
- 浣腸
- 摘便
- 瀉血…17Gの針を刺します。
- ポート造設の介助等
基礎看護技術が求められます。
外来看護師が気を付けていること
採血、処置、診察までの待ち時間が長い事があるため、患者さんはイライラしがちです。
体調が悪くて病院に来ている患者さんもいる為、採血や処置の際には声かけを気を付けています。
また、クレームを言ってくる患者さんもいる為、クレーム対応もしなくてはなりません。ひたすら傾聴し謝罪し…それでも対応しきれない場合はクレーム対応担当者へ連絡し対応してもらうこともあります。
待ち時間の長い患者さんへの細やかな気配りや高いコミュニケーション能力が求められます。
また、体調が悪く受診している患者さんもいる為、急変することもあり即座に対処しなくてはなりません。
バイタル測定を行い、医師へ報告し指示を仰ぎ…普段から対処できるようにイメージしています。
まとめ
外来では主に医師の診療の介助のほか、採血や点滴、基礎看護技術が求められます。
病棟とは違い、診療科が幅広い為、その分知識も浅く幅広く必要になります。
それ以外には待ち時間の長い患者さんへの対応や急変した患者さんへの対応も求められます。
高いコミュニケーション能力と短時間で患者さんの状態を把握し急を要するようであれば早急に的確に対処しなくてはなりません。
検査についても患者さんへ説明できるように一連の流れも把握し、問診票やチェックリスト、同意書などの必要書類についても短時間で捌けるようにすることで、患者さんの待ち時間短縮に繋がり、スムーズに診療が進められる事に繋がります。
病棟とはまた違う大変さを実感しています。
しかし、患者さんがスムーズに外来受診できるようにさまざまな事に気を配り関わるのが外来看護師の役割であると私は考えます。